都営大江戸線のメリット・デメリット

「都営大江戸線はホームまでが深い」
「都営大江戸線は乗り換えが不便」

身の回りでこのような話をよく耳にするマゼンダ色の路線・都営大江戸線だが、JR山手線内においてほぼ大久保通りの真下を走り、新宿駅周辺の繁華街エリアと新宿区内の住宅地、そしてターミナル駅である飯田橋駅を結ぶ大動脈である。東京メトロ東西線、都営新宿線、東京メトロ丸ノ内線と併走しながら新宿区内を横断し、新宿区民にとっては欠かせない存在でもある。

ここでは都営大江戸線の強み・弱みや自分がどのように活用しているのかについて、山手線内の範囲を中心に紹介したい。

強み

1. 混雑や乗り換えを回避できる

東京都内の移動は都営地下鉄に比べてJRと東京メトロを使う人の方が多いかもしれないが、都営大江戸線を使えば目的地によってはJR線や東京メトロを使うよりも混雑とわずらわしい乗り換えを避けて移動できる場合がある。

以下、徒歩10分程度で歩ける距離の駅の例(乗り換え駅指定の駅は除く)

  • 都庁前駅:西新宿駅(東京メトロ丸ノ内線)
  • 新宿西口駅:大久保駅(JR)
  • 牛込神楽坂駅:神楽坂駅(東京メトロ東西線)
  • 上野御徒町駅:上野駅、湯島駅(JR、東京メトロ銀座線/日比谷線、京成、東京メトロ千代田線)
  • 汐留駅:新橋駅(JR、東京メトロ銀座線、都営浅草線、ゆりかもめ)
  • 大門駅:御成門駅、芝公園駅(都営三田線)
  • 赤羽橋駅:麻布十番駅(東京メトロ南北線)
  • 六本木駅、青山一丁目駅:乃木坂駅(東京メトロ千代田線)
  • 国立競技場駅:信濃町駅(JR)
  • 代々木駅:新宿駅、北参道駅(都営新宿線、東京メトロ副都心線)
  • 新御徒町駅:稲荷町駅(東京メトロ銀座線)
  • 蔵前駅:浅草駅(東京メトロ銀座線、都営浅草線)
  • 築地市場駅:築地駅(東京メトロ日比谷線)
  • 中井駅、東中野駅:落合駅(東京メトロ東西線)
  • 落合南長崎駅(西武池袋線)
  • 新江古田駅(西武池袋線)

都庁前駅は西新宿高層ビル街の中心に位置しており、もう1つの玄関駅である東京メトロ丸ノ内線の西新宿駅までは乗り換えることなく、地上または地下通路を経由して歩ける距離にある。

新宿西口駅は新宿駅と西武新宿駅との乗り換えに使う人は多いと考えられるが、少し足を伸ばせば混雑や乗り換えを避けて大久保駅の代替として活用することができる。

牛込神楽坂駅と神楽坂駅は至近距離にあるため、大江戸線を使って赤城神社など東西線の神楽坂駅周辺のエリアへ足を運ぶ際に便利である。

上野御徒町駅は上野駅と地下通路でつながっており地上でもどちらでも徒歩で辿り着ける範囲のため、大江戸線沿線から京成スカイライナーを使うような場合の最寄駅として使える。乗り換え駅でもなく地下通路での接続もないが、湯島駅も目と鼻の先のため別路線を経由して千代田線に乗り換えるのであればここで乗り換えてしまった方が時間の節約になる。ちなみに大江戸線は地下鉄路線では東京メトロ千代田線のみ唯一乗り換え駅がない。湯島駅を蔵前駅のように地上乗り換え駅にしないのが不思議だが、運営会社が別など大人の事情があるのかもしれない。

汐留駅はビル街をすり抜ければ新橋駅へ到達することができるため、大門経由で都営浅草線に乗り換える必要はない距離である。

大門駅は増上寺前を通っている日比谷通りまで出ればその下には都営三田線が通っており、北へ進めば御成門駅、南へ進めば芝公園駅へ到達する。都営大江戸線と都営三田線は地図上はこのあたりで線路が交差しているが乗り換え駅にはなっていない。

赤羽橋駅は首都高と古川沿いに西へ進めば10分も経たないうちに麻布十番駅前の交差点である。もし赤羽橋駅付近から南北線を使って移動したい、またはその逆で南北線沿線から乗り換えなしで東京タワーなど赤羽橋駅へ移動したい場合は活用できる。

六本木駅と青山一丁目駅はちょうど中間地点に、それぞれの駅から10分もかからない距離に千代田線の乃木坂駅がある。青山一丁目から乃木坂駅に向かうためにわざわざ隣の表参道駅で乗り換える必要はないと考える人は多いのではないだろうか。六本木駅から乃木坂駅も地下鉄で移動しようとすると、日比谷線で霞ヶ関駅まで移動して千代田線に乗り換える必要があるため、やはり六本木駅で降りて歩いてしまったほうが早い。青山一丁目駅と六本木駅はホームが地下深くにあるため、地上に出るのが他の駅に比べて容易ではないのが唯一の難点である。

国立競技場駅はほぼ千駄ヶ谷駅前といっていい場所ではあるが、千駄ヶ谷駅と反対側の出口を出て神宮外苑の中を歩けば信濃町はそう遠くはない。

代々木駅は実際に車内でもその近さを実感することができるが、都営地下鉄の新宿駅とは目と鼻の先と言ってもいいほど近い。代々木駅から新宿駅まで移動するのであれば、JRや大江戸線を使わなくても歩いてしまった方が早いケースも多いのではないだろうか。

2. 都内の斜め移動が早い

新宿から上野方面への移動には真っ先に東京メトロ(丸ノ内線+銀座線)やJR山手線での移動が思い浮かぶが、目的地によっては都営大江戸線の方が所用時間が短い場合がある。

たとえば新宿駅(新宿西口駅)〜上野駅(上野御徒町駅)の場合では通常、東京メトロ(丸ノ内線+銀座線)では約36分、JR山手線では25分だが、都営大江戸線では18分程度である。新宿駅〜六本木駅の場合でも通常、JR山手線+東京メトロ日比谷線では23分程度だが、都営大江戸線では9分程度である。

新宿駅では新宿駅と新宿西口駅が分かれており慣れるまでわかりにくい・使いにくいが、うまく使いこなせば新宿から東北・東南方面への移動が楽になる。

3. その他

  1. 他社路線と相互直通運転をしていないため、人身事故などによる遅延の影響を受けにくい
  2. 他都営線すべてとの乗り継ぎが可能
    • 新宿線(新宿駅、森下駅)
    • 三田線(春日駅)
    • 大江戸線(新宿駅、森下駅)
    • 浅草線(大門駅)
  3. 羽田空港と成田空港へアクセスしやすい
    • 大門駅で東京モノレールに乗車
    • 上野御徒町駅から京成上野駅まで歩き京成スカイライナーに乗車

弱み

  • 全体的にホームが深く上下移動に時間がかかる
  • 地下鉄の中では新しい路線のため、他の路線との乗り換えが不便な駅がある
  • 改札口が少ないため、改札から駅の出入り口まで必要以上に歩く駅がある
  • 地下鉄で東京メトロ千代田線との乗り換えはない
  • 新宿駅、新宿西口駅は新宿エリアの中心部からは場所が外れている
  • 走行中の音が他の路線よりも大きくヘッドホンの音や会話が聞き取りにくい
  • 車体が他の路線より一回り小さく圧迫感がある

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