新宿区に住む場合の最寄り地下鉄駅の出入りのしやすさ

東京特に都心部に住むほど、自宅、店舗、オフィスは公共交通機関の駅からの相対的な評価を受けることを避けることが難しい。どんなにその立地に価値があったとしても、駅から離れていることで本来の価値や知名度を得られなかったり、逆に土地に難があったとしても駅から近いというだけで人気が高いということは珍しくない。

実際に何度も転居をしたり公称の最寄駅から現地までを歩くと、特に地下鉄駅ではプラットフォーム(以下、ホーム)から改札への移動と、改札から出入口への移動を伴うことがわかる。対外的な最寄駅というのはここでいう出入口が起点となるため、利用にあたって実際には出入口からホームまでの移動の労力や時間も考慮しなければならない。これらは不動産屋の物件情報や店舗などが教えてくれるわけではないので自分で調べるしかない。

ここでは、自身の経験をもとに新宿区に住む場合の最寄り地下鉄駅の出入りのしやすさを評価してみることにする。なお、複数路線が乗り入れる駅は出入口が乱立しているケースもあり評価が難しいため、以下の条件に当てはまる駅のみを対象とする。

  • 東京メトロまたは都営地下鉄の駅(JR線の駅は含まない)
  • 新宿区に住む場合に最寄駅としての利用が想定される駅(所在地が新宿区とは限らない)
  • 2つ以上の路線が交差しないいわゆる単独駅
  • 駅とその出入り口の関係性が明確なもの

東京メトロ丸ノ内線

新宿御苑前駅

  • 深さ:7.6m
  • 改札:3ヶ所
  • 出入口:3ヶ所(1〜3番出口)
    • 池袋方面のホーム:東端に2番出口、中央やや西寄りに3番出口
    • 荻窪方面のホーム:西端に1番出口

東京駅や赤坂見附駅などへ通勤するのであれば、池袋方面のホームを利用するために地上の横断歩道や改札内の地下通路を上り下りする必要のない2、3番出口方面に住むと便利。1番出口は途切れることなく地上までエスカレーターとエレベーターが設置されており、最も整備されて明るい印象を受ける。

四谷三丁目駅

  • 深さ:7.5m
  • 改札:2ヶ所
  • 出入口:4ヶ所(1〜4番出口)
    • 池袋方面のホーム:2、4番出口
    • 荻窪方面のホーム:1、3番出口

新宿御苑前駅と同じく、もし池袋方面へ通勤するのであれば2、4番出口方面に住むと便利。ホームは相対式で東京方面と新宿方面を改札内で行き来するには浅いホームに似つかわしい結構な段数の階段を上り下りしなければならないため、改札に入る前に利用したいホーム側の地上出入口を選び駅に入った方が楽である。

東京メトロ東西線

落合駅

  • 深さ12.6m
  • 改札:2ヶ所
  • 出入口:4ヶ所
    • 西側(中野方面):1番、2a、2b出口
    • 東側(西船橋方面):3、4番出口

ホーム自体は深さを感じず改札から出入口までは割とスムースに移動できるが、ホームが長く改札が西端と東端にあるため、目的の方向と逆の車両で降りた時はかなりの距離を歩かなければならない。東中野駅寄りの1、2b、中井駅寄りの2a、4番出口方面に住むと複数路線を使いこなせて便利。

早稲田駅

  • 深さ:10.8m
  • 改札:3ヶ所
  • 出入口:3ヶ所
    • 西側(中野方面):2番、3a、3b出口
    • 東側(西船橋方面):1番
    • 中野方面ホームの中ほど:エレベーター専用

落合駅と同じくホーム長と改札の位置が特徴。1番出口方面はイトーヨーカドーがある以外は住宅街に入っていく方面のため、三徳(スーパー)や飲食店が軒を連ねる2番、3a、3b出口の方が利便性は高い。

神楽坂駅

  • 深さ17.5m(下層ホーム)
  • 改札:2ヶ所
  • 出入口:3ヶ所
    • 西側(中野方面):2番出口
    • 東側(西船橋方面):1a、1b出口

出入口による違いはないが、ホームが2層式で西船橋方面のホームが中野方面よりも1階層深いため西船橋方面のホームから地上出入り口までは階段を余分に上り下りすることになる。2番出口より、1a、1b出口の方がいわゆる神楽坂の中心部により近いため便利。

東京メトロ有楽町線

江戸川橋駅

  • 深さ:16m
  • 改札:1ヶ所
  • 出入口:5ヶ所
    • 西側(和光市方面):1a、1b、2番出口
    • 改札前:3番出口
    • 東側(新木場方面):4番出口

江戸川橋駅自体は新宿区に属していないが、もし新宿区の山吹町や早稲田鶴巻町に住むのであれば江戸川橋ビルに直結している1b、水道町や西五軒町に住むのであれば4番出口を最寄りの出入口として使うことになる。地蔵通り商店街の中心部至近で改札を出てすぐの3番出口が最も便利で使いやすい

1a、1b、2番出口は改札を出てから果てしなく見える直線の地下通路と何度か階段の上り下りがあり実際の距離以上に遠く感じられる。駅徒歩○分という表記であっても駅に入ってから改札までさらに数分歩くため、物件選びの際はこれを踏まえて検討した方がよい。

東京メトロ副都心線

西早稲田駅

  • 深さ:30m
  • 改札:2ヶ所
  • 出入口:3ヶ所
    • 北側(和光市方面):1、2番出口
    • 南側(渋谷方面):3番出口

オリンピック(スーパー)に近く高田馬場駅前も生活圏に入りそうな1、2番出口の方が何かと便利かもしれないが、ドン・キホーテ、マクドナルド、新宿中央図書館、新宿コズミックスポーツセンターなど日常使いに便利なスポットに近い3番出口も捨てがたい。

駅を利用してみるとわかるが、改札からホームへつながる長いエスカレーターは深いホームをさらに深く感じさせる。副都心線の中でも優等列車が停車しない駅のため、都心部の割に電車の本数が多くはない。日常的に最寄駅として使うのであれば、これらに納得できるかを事前に確かめておいた方がいいかもしれない。

都営新宿線

曙橋駅

  • 深さ:17.4m
  • 改札:2ヶ所
  • 出入口:4ヶ所
    • 西側(新宿方面):A1、A2出口
    • 東側(本八幡方面):A3、A4出口

どの出入口もエスカレーターが設置されているものの、地上に接している部分はエスカレーターが途切れて階段のみ。住むなら四谷三丁目駅へ通じる新坂に近いA1や、三徳(スーパー)やあけぼのばし商店街に近いA2が便利。

A3/4方面は駅の真上を走る靖国通りが周囲より低地にあたるのとその上には外苑東通りが立体交差しており、場所によっては駅近であっても出入口から上下移動を強いられる。地上の交通量も比較的多いため、遠回りや信号待ちをして幹線道路を横断しなければならずその分時間を要する。

都営大江戸線

若松河田駅

  • 深さ:19.4m
  • 改札:1ヶ所
  • 出入口:2ヶ所
    • 西側(新宿西口方面):河田口
    • 東側(飯田橋方面):若松口

河田口は最も改札に近く、改札フロアから地上までエスカレーターまたはエレベーターで移動することができる。若松口は河田口に比べて改札からの距離は離れており途中からエスカレーターはないが、ライフ(スーパー)やドトールコーヒー、タリーズコーヒーがあるため生活にはこちらの方が便利。

牛込柳町駅

  • 深さ:21.2m
  • 改札:1ヶ所
  • 出入口:3ヶ所
    • 西側(新宿西口方面):西口
    • 東側(飯田橋方面):東口、南東口

西口が最も改札に近いが、西口の地上出入口は坂を上る途中に位置しているため東口、南東口に比べて上下移動を強いられる。東口と南東口は西口に比べて改札から離れているが西口よりも上下移動は少なくて済む。ただし、後から増設された南東口は東口よりさらに改札から離れており、日常使う出入口としてはしんどいかもしれない。

牛込神楽坂駅

  • 深さ:20.7m
  • 改札:1ヶ所
  • 出入口:3ヶ所
    • 西側(新宿西口駅方面):A1
    • 東側(飯田橋方面)のA3
    • その中間、改札から東寄り:A2

A2出入口が最も改札から近く便利、次いでA1出入口が近いが階段の上り下りは煩雑。A3出入口は地上に向かって傾斜があり地上からの深さは体感的に少ないが、その分改札から離れており他の出入口より多くの距離を水平移動しなければならない。住むならタリーズコーヒーやキッチンコート(スーパー)に近いA1方面、または神楽坂通りに近いA3方面が便利。

西新宿五丁目駅

  • 深さ:23.3m
  • 改札:1ヶ所
  • 出入口:2ヶ所
    • 西側(光が丘方面):A2
    • 東側(六本木方面):A1

どちらも大差はないように感じられるが、A1の方がA2に比べて迂回して階段を上り下りする必要がないため体感的には楽かもしれない。

落合南長崎駅

  • 深さ:17m
  • 改札:1ヶ所
  • 出入口:の3ヶ所
    • 北側(光が丘方面):A2、A3
    • 南側(六本木方面):A1

改札からの距離ではA1出入口が最も近く、それに比べてA2、A3出入口は改札から同じくらい離れてはいるものの、地上までエスカレーターで移動可能。A3出入口は商業施設「アイタウン」直結のため住むならこちら方面が便利。

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